英文は頭から訳すのが基本

英文は頭から訳すのが基本

TOPICS


日本語を母国語とする人が英語を身に付ける上で重要なことの一つは「英語と日本語は違う」という事を理解することです。
これはもちろん言語だけの話ではなく、文化的にも全く違います。
日本語の感覚で英語をとらえることはできないという事が理解できたとき、本当の意味で英語が身に付いていきます。
そのために有効な方法の一つが「英文を頭から訳す」という事です。


英語と日本語はそもそも相容れないもの

英語と日本語はそもそも相容れない言語です。
例えば以下の例文を見てみます。

“I want to go home.”

なんてことない文章ですね。
「家に帰りたい」と。
でもよくよく考えてみてください。
この英文は本当に「家に帰りたい」と言っていますか?
いいえ、言っていません。

じゃあ、なんて言っているのでしょうか?

英文を頭から訳すと英語を使う人の思考回路が見えてくる

では見てみましょう。
実際は
「私欲している行く家」
です。

ぐわ!!!読みづらい! ですね 笑
でも英語ではそう言っているのです。

英語を少しでも学習している人なら言われなくても分かっていることだと思いますが、そもそも英語を使っている人の脳の中で行っている情報処理の順番は日本語を使っている人のと違うのです。

「家に帰りたい」という文章は先に「家」という目的地が浮かび、次に「帰りたい」という行為が浮かんでいます。
主語である「私」なんてそもそも言葉にする必要すらありませんね。
ところが、英語では初めに「私」という主語が来ます。次に「欲している」と。そして「行く」という行為があり、最後に目的地である「家」が現れる、と。
全然違いますね。そうです。違いますね。うん、興味深いことに。
くどいようですが、何度でも言います。
英語と日本語は違いますよね?

具体的にどうやって頭から訳すか

さて、ここまでで英語と日本語は違うということはご理解いただけたことと思います。
そして英語を習得するという事は英語の発想や情報処理の仕方を学ぶことでもあります。
そこで、私は最終的には英語は英語のまま理解することが重要であると思っていますが、そこに至るまでは一時的に英文を英文の語順のまま訳して理解することを基本、勧めています。
こうすると英語と日本語の違いがはっきりと分かりますし、おまけとしてこれはリスニング・スピーキング・リーディング・ライティング全てが向上します。

では、やり方を説明します。
考え方は単純です。
英文を意味単位に分解して、その単位で頭から訳す。
それだけです。
例えばこういうことです。

“I really love that song.”
“I / really / love / that song.”
「私 / 本当 / 好き / その曲」

こんな感じです。

もう少し長い文章だったら前置詞あたりで切るとやりやすいです。

“I used to live in Tokyo before I moved to Saitama.”
“I / used to live / in Tokyo / before / I / moved / to Saitama.”
「私 / かつて住んでいた / 東京の中 / 前 / 私 / 引っ越した / 埼玉に」

こんな感じでもいいです。
そしてこうやって訳すと面白いことが見えてきます。

上記の文章を自然な日本語にすると、
「埼玉に引っ越す前は東京に住んでいました」
なんですけど、意味単位で切って訳した文章では「てにをは」が入っている部分と入っていない部分があります。
勘の鋭い方はもう気付いていると思いますが、英語を母国語としてる人が「てにをは」を苦手とするのも仕方がないですよね。
だって同じものがないんですから。逆に見ると、日本人が前置詞を苦手とするのもこうやって見てみるとよくわかります。違うんですもの。

特に自然な日本語に訳す必要がない限り、頭から訳す

特に自然な日本語に訳す必要がない限り、頭から訳して英文を理解することに勤めることを私は推奨します。
その方が早く英語の感覚が身に付きます。

peace
Shannon